WEEKLY PRODUCT ANALYSIS – SUPREME RIGID SLIM JEAN – DENIM (デニム) REPORT
・2021.12.4 UPDATE: エイジングレポート追記更新
・2020.12.30 UPDATE: エイジングレポート追記更新
今回は Supreme の定番アイテムである ” Rigid Slim Jean (Denim デニム) ” について商品解説する。
Jeans (ジーンズ)の歴史
起源はアメリカでゴールドラッシュに湧く北米の鉱山で働く鉱夫が丈夫で破れにくい作業着を求めていたところ、1870年仕立て屋のヤコブ・デービス氏は、既に設立されていたリーバイス社のリーバイス・ストラウス氏から仕入れたキャンバス生地を用いて銅リベットでポケットの両端を補強したワークパンツを発売し、鉱夫らの作業着として好評を博したことが由来とされる。
1900年代には入り、素材はキャンバス生地からインディゴ染めのデニム生地へと変遷し、縫製技術の進化等により、1940年代には現在のジーンズとほぼ同様のデザインとなった。
Jeans の歴史を踏まえた上で、Supreme から毎年毎シーズン定番として発売する Rigid Slim Jean (リジットスリムジーン) ( Non Wash Denim ノンウォッシュ デニム ) について考察。併せて自身着用による経年変化をレポートする。
今でもジワジワと巷で盛り上がりを見せ始めているが2020AW頃から各ブランドがデニムの展開を強化していることから本格的にデニムトレンドが再来する流れがある。
また1から自分だけのデニムを育てたいという願望をお持ちの方がこのBlogの内容が少しでも参考になれば幸いである。
これまでに、Levi’s、Lee、Edwinのデニムブランドから始まり、Diesel、Apc、Nudie Jeanのインポートデニムを通りDolce & Gabbana、Dsquared、Jacob Cohen等のラグジュアリーブランドなど様々なブランドのデニムを履き続け、現在 Supreme の Rigid Slim Jeanに至る。
因みに出会いは2018年12月24日。そこからこの物語はスタート。
生地は14ozのセルビッジデニム。しかも Made in USA のアメリカ生産!
oz (オンス)とはデニムの厚みを表す単位の事で、ジーンズ1本の重さの事ではなく、1平方ヤードの生地の重さを表したもの。1ozが28.3グラム弱とされ、1平方ヤードが0.84平方メートルとなる。一般的には14ozほどのデニムが主流で、しなやかな履き心地。厚いほど生地は硬く、ゴワゴワする。
セルビッジデニムとは、デニムの生地の端に位置する通称『耳』と呼ばれ布の端がほつれないように、厚くおられた幅の狭い白い耳の事。
先ずはリジット (製品後にも糊が付いたままの状態) である事から、一旦サイズを落ち着かせる為に、1st Wash (ワンウォッシュ)をする。1st Wash後には、糊がとれ、繊維が約10%縮むとされる。
1st Wash Denim Report
①糊落とし
デニムの色落ちを少しでも避ける為に裏返しにした状態で全体が浸かるくらいの大きさの桶に約50℃程の熱めのお湯に30分程つける。
低温の湯ではなく高温にする理由としては、糊が高温の方が溶け易い。
全体が浸かるように調整。お湯は50℃なので少し熱めなので注意する。
徐々に糊?埃?が溶け浮き始める。
30分後デニムを取り出すと、、、
糊が溶け出しているのが確認できる。これで完全に糊が取れたわけではないので、その後、表面に付いた糊を落とす為に40℃程の温めの温度でシャワーを当てて洗い流す。
②脱水
脱水機を使い一気に縮める方法もあるが、今回は嫌なシワやアタリを避ける為に、手で押すように慎重に脱水させる。
③乾燥
乾燥は表地が日光で焼け変色しないように裏返したじ状態で日陰干しで乾くまで待つ。
ポイントの一つとして、変にシワが入らないように、叩いて生地を伸ばし、干す際に乾燥を早める為に、中を空洞にする様に立体的に干すのをお勧めする。
脱水同様に乾燥機で一気に縮める方法もあるが、生地の擦れや、シワ、アタリを防ぐ為に今回は自然乾燥とする。加えて乾燥機で乾燥させると予想以上に縮む可能性もある為リスキー。過去縮み過ぎたことで失敗したこともあり、、、。
1st Wash後、自然乾燥を経て採寸。
今回着用サイズは34インチ (当方 身長 177センチ/ 体重 65キロ 普通体型)
ウエスト 90 → 86センチ -4センチ
股上 33 → 29センチ -4センチ
股下 80センチ → 80センチ 0
裾幅 41センチ → 20センチ -1センチ
正直、もう少し縮むと想定していたが、そこまでの縮みは無い模様。
今回デニムを育てるにあたり、全体的に均等にインディゴをトーンダウンと言うよりは、ヴィンテージデニムの様な、ヒゲ、ハチノスがくっきりと出る様なイメージの為、ワンフォッシュで生地による縮みが落ち着いたところ再度糊つけをして、シワが同じ場所に入る様に生地着用面を糊でコーティング。
④糊つけ
PVA合成洗濯糊を使用し、ウエスト、スレキ、シーム部以外前身頃、後ろ身頃共に全体的にしっかり塗り込む。ヒゲ、ハチノス等のあたりが出る場所は特に念入りに糊を塗り込む。
ポイントの1つとして、セルビッジ部をしっかり開いた状態で糊づけする事。曲がった状態で糊が固まると、今後のアタリの付き方が歪になる為注意。
⑤乾燥
今回は短時間で糊も乾く為、オモテ面を向けて日陰にて自然乾燥する。予め表面にして乾かさなければ、乾いて生地が糊により硬くなった際に、裏面から表面に裏返すのが大変ということも。
⑥完成!!
糊が乾きデニムに張りが生まれ、直立。まるで一種のアートの様だと余韻に浸る。
これからメインパンツとして日々履き込む事を誓うと共に、今後どの様に変化していくのか楽しみである。
2019.7.24 UPDATE 進捗状況レポート
2018.12.25 – 2019.7.25
半年間メインのパンツとして着用し、色落ち状況をレポートする。
ヒゲ、膝にアタリが徐々に出始める。
糊によるデニムの張りもまだ残り、脱いだ状態でも着用時のシルエットがキープ。
ハチノスも薄っすら出始めるもまだまだこれからな模様。
1番擦れやすい股部に青みが増し、インディゴが徐々に落ち始め変化が見られる。
フロントサイドのフライフロント部にもシワ、アタリが入り始める。
半年間メインのボトムとして履き続けるも、普段30インチ、気分によって32インチを着用するが、今回は34インチでトライ。フィッティングとしては、シルエットがSlimタイプな為、細く作られている事を想定し、34インチと少し緩め予定であったが、結果32インチ弱くらいのフィッティング。その為、体にジャストでフィットでは無いので、シワの入り方が大き目である印象。まだまだこれからも継続してメインのボトムとして着用する。
2019.12.24 UPDATE: 進捗状況レポート
2018.12.25 – 2019.12.24
メインのボトムとして着用し続けて1年経過。
ヒゲ、膝、股の辺りにアタリが徐々に見受けられる。
半年着用時に見られた糊によるデニムの張りは落ち着き、脱いだ際に着用時のシルエットはキープされないものの、まだ糊により硬さは残り、それは裾のクッションでも見受けられる。
膝裏辺りにも屈伸によるシワが見られ徐々にハチノスも育つ。
個人的に裾をワンロールしたいところであるが、折り返しによるシワを付けたくない理由で気持ちをグッと堪え、ワンクッションで着用。
コインポケットにも擦れによるアタリが見え始める。
1年メインのパンツとして真夏を乗り越え履き続けてきたこともあり、そろそろ 2nd Wash に入りたいところ、、、。2nd Wash のタイミングを見計らいつつも引き続きメインのボトムとして着用する。
2020.3.24 UPDATE: 進捗状況レポート
2018.12.25 – 2020.3.24
1年3カ月メインのボトムとして着用し続けたが、そろそろデニムの次の表情が見たい気持ちを抑えきらず 2nd Wash を決意。
因みに2nd Wash 前のコンディションは下記となる。
前レポートから3カ月の経過であるが、デニムの成長は急激に進んだ様に感じる。
ヒゲ、膝辺りにもくっきりとしたダメージが見られる。
ハチノス部にもこれまで以上に色落ちが見られる。特に座面部の色落ちが進んでいる事がわかる。
それでは 2nd Washに取り掛かる。
2nd Wash Denim Report
①洗濯
色々とデニム用洗剤のリサーチをした結果、Freddy Leck (フレディレック)のデニムソークウォッシュに決定。
色々な洗剤があるが、漂白成分が入っていない、デニムの急激な色落ちを防ぐデニム用の洗剤を勧める。
Freddy Leck (フレディレック)のデニムソークウォッシュ (楽天市場)Freddy Leckは浸け置き用洗剤の為、1st Wash時と同様に生地を裏返して、50℃程のお湯に全体が浸かる様に押し洗いし、30分浸け置きする。
1年3カ月分の汚れが落ち始め、タブの中のお湯も濁り始める。
30分後、、、かなり深いグリーンに。
その後、40℃程の温度で、デニムに付着した汚れ、洗剤をシャワーで洗い流す。
②脱水
今回も洗濯機ではなく、ハンドで脱水させ、
③乾燥
日光による日焼けを防ぐ為デニムを裏返した状態で、急激な縮み、乾燥機による摩擦を避ける為に、日陰にて自然乾燥させる。
2nd Wash後、自然乾燥を経て採寸。
オリジナル→1st Wash → 2nd Wash
ウエスト 90センチ → 86センチ → 86センチ 0
股上 33センチ → 29センチ → 29センチ 0
股下 80センチ → 80センチ → 78センチ -2センチ
裾幅 41センチ → 20センチ → 20センチ 0
2nd Wash 後のコンディションは下記となる。
全体的に1トーンインディゴの青みが増した印象。
予想ではもう少しヒゲなどのアタリが出ているところでは色が落ちているかと想像していたがそこまでの変化は感じられない。
ハチノスも若干の色落ちが見られる。
ウエストが若干大きい為か、バックヨーク辺りにはベルトによる締めた際にできるシワによる色落ちあり。
今回の2nd wash を通して、これまでの色落ちの進捗状況の把握ができた事、想像以上にパリッとした履き心地に清涼感が生まれ快適になった事があげられる。
3rd Washは着用2年後の12月に予定とする。
2020.12.30 UPDATE: エイジングレポート追記更新
こちらをメインのパンツとしてほぼ毎日着用を続け約2年経過。
それまで見られなかった チェンジポケットや股下部、裾などで摩擦により徐々に擦り切れが起こり始める。
2021.12.4 UPDATE: エイジングレポート追記更新
2018.12.25 – 2020.12.4
3rd Wash
前回2021年3月24日の2nd Wash 以来約1年8ヶ月振りの3rd Wash。
色々とデニム用洗剤をリサーチをした結果、今回もFreddy Leck (フレディレック)のデニムソークウォッシュで洗濯する。
色々な洗剤があるが、漂白成分が入っていない、デニムの急激な色落ちを防ぐデニム用の洗剤を勧める。
Freddy Leck (フレディレック)のデニムソークウォッシュ (楽天市場)Freddy Leckは浸け置き用洗剤の為、生地を裏返して、50℃程のお湯に全体が浸かる様に押し洗いし、30分浸け置きする。
1年8カ月分の汚れが落ち始め、タブの中のお湯も濁り始める。
30分後、、、かなり深いグリーンに。
その後、40℃程の温度で、デニムに付着した汚れ、洗剤をシャワーで洗い流す。
②脱水
今回も洗濯機ではなく、ハンドで脱水させる。
③乾燥
日光による日焼けを防ぐ為デニムを裏返した状態で、急激な縮み、乾燥機による摩擦を避ける為に、日陰にて自然乾燥させる。
3rd Wash後、自然乾燥を経て採寸。
オリジナル→1st Wash → 2nd Wash → 3rd Wash
ウエスト 90センチ → 86センチ → 86センチ → 87センチ +1センチ
股上 33センチ → 29センチ → 29センチ → 29センチ 0
股下 80センチ → 80センチ → 78センチ → 78センチ 0
裾幅 41センチ → 20センチ → 20センチ →20センチ 0
着用時は若干伸びた様な印象でしたが、洗濯、乾燥時にその分縮み大きなサイズ変化はなし。
チェンジポケット部には、普段ポケットに手の出し入れの回数分擦れが発生する分、ダメージあり。
このダメージもなかなかいい感じです。
引き続きメインのボトムとして履き続ける。
まだまだこのデニム物語は続く。
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Via. Supreme、Wikipedia